PC環境と時代の流れ(+私のモバイル遍歴)

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これらの記事を立て続けに読むと、なんというか、いよいよ本格的にWindowsである必然性が薄れてきているのかなぁ、という印象を受けますね…
辛うじてあるとすれば、それはもはや過去との互換性のみなのではないでしょうか?(もっとも、Windowsがここまで勝ち残ってきた理由というのはそこにこそあるのでしょうが。)

かくいう自分は、先日WindowsVISTA搭載のウィルコム”D4”の購入を断念することにいたしました。m(_ _)m
あれで12万 ―しかもクレードルは別で、クレードルだけで2万とかなぁ…少なくとも今しばらくは正直”ナシ”だなぁ。。。

それに変わって現在の興味は専ら、ソフトバンクモバイルから発売が決まったiPhoneですね…w
いやはや、とある情報筋からソフトバンクは交渉決裂という話を耳にしていただけに、これはちょっと(嬉しい)青天の霹靂でしたね。
これでいよいよ8年以上連れ添ってきたJ-D02ともお別れする決心がつきそうです…w^^;


余談ではありますが、8年前―高校入学と同時に買ったJ-D02をここまで使い続けるとは、正直夢にも思っておりませんでした。

当初は、当時制作にハマっていた”MIDIファイル”が再生できるケータイが出たら機種変しよう!と思っていたのですが、思いのほかそういったケータイというのがなかなか出てこず、出てきてもニッチな場所(某Tu-ka)でしか出てこないし。かといってJ-D02の代替として使いたいと思えるケータイ端末もなかなか出てこなくて、次第に機種変とかもうどうでもいいやっ(゚?゚)とか思うようになっていったわけです。

なんといいますか、当時のケータイの発展の方向というのが、より高性能でより多機能に!という指向の下、カラー液晶やらカメラやらがゴタゴタ積まれていく一方で、よりでっかくより不格好にという方向に猛進し、それでいながらあくまでケータイ”電話”としてのアイデンティティを必死に保とうとしていたのが、本当に気に入らなかった。カメラやカラー液晶とか積んで、そんな不格好な形していながら、それでもオマエは”電話”と言い張るのかっ?!って言いたくてしょうがなかった。当時(というか今も)主流のパカパカ(二つ折り)式の形に拘っている理由というのがまったく理解できず、その時点で既になかなか買い替える気にはなれなかった。*1

そんなこんなで、結局機種変することなく5年あまりの月日が流れ、ようやくそんな状況を打破する、J-D02に替わる端末に!と思える端末が登場した。
それがウィルコムの”W-ZERO3”。
あれの登場は自分的にはかなりセンセーショナルであった。長らく大手三社の寡占状態が続いていたケータイ市場に新たな風を巻き起こすべく、大手三社のうちの一社であるau(KDDI)から独立したウィルコム(旧DDIポケット)が、独立の旗印とも言うべく形で発表したのがW-ZERO3であった。あのホント良い意味で”電話”としてのアイデンティティを打ち破った端末。あの潔さにはホント感動した。
珍しい端末が発表されたということで多くの人が店頭でモックを実際手に取り、電話をする格好をしてみせては周囲の笑いを誘っていた端末。いや、その気持ちイイまでに”電話に見えない”容姿にこそ、逆に魅せられた。中身的にも、Windows Mobile搭載のスマートフォンという、従来の日本のケータイ市場にはなかったものであり、名実ともにケータイ”電話”から脱却した携帯”端末”といえるものであった。まさしく自分が求めていたのはこれだ!という思いで即断即決で購入したわけです。

この時点で完全にJ-D02から完全乗り換えしてもよかったのですが、ただ、W-ZERO3というかウィルコムのシステムの特徴として気になった点が一つ―ネット通信中にメール及び電話の着信が不可能であるという点が、気に掛かっていました。
というのも、自分がW-ZERO3を購入してもっとも期待し、実際の利用率が最も高かったのが、大画面ディスプレイとフルブラウザによるウェブブラウジングだったのです。J-D02では、ある時点でウェブサービス(スカイウェブ)が打ち切られていて、久しくモバイルウェブサービスという環境から遠ざかっていたこともあり、新端末導入に際してモバイルウェブ(しかもPC環境と同じウェブブラウジングが可能な)に寄せる期待も並々ならぬものだったわけです。さらにそれが定額で出来てしまうことを考えると、長時間ネット通信を行っていてメールや着信に気づかない(着信できない)という状況も大いに懸念されたため、とりあえずの連絡路確保という名目で、結局J-D02も存続させたわけなのですね。

そして、それからそんなZERO3も愛用して早2年が経とうかという頃、一度、経年故障で修理に出しました。*2
その時に代替機種として渡された端末は、自分が長年忌み嫌っていたパカパカ二つ折り式のいわゆるフツーのケータイ”電話”端末でした。正直、こいつを使うのかぁ…という抵抗も少なからずありましたが、まぁZERO3が帰ってくるまでの辛抱だと思って使い始めてみたわけですが・・・
これがなんと思った以上に使い易いっ!w
なんというか、W-ZERO3QWERTYキーボードによる両手持ちスタイルに慣れ、疑いなくそちらの方が打ち込み効率も高い!とも思っていたのですが、最近のケータイではもはや標準となっていた”先読み変換”機能による文字入力効率の飛躍的な向上と片手で完結できることの快適さの再認識、この二つの取り合わせは思った以上のもので、正直QWERTYと大差ないんじゃないか?と思いました。
なんというか、さすが長い間人々に支持され続けているだけのことはあるな…というか、やはり大分洗練されてきているのだなというか、自分が知らない間に世の中変わっていたのだなぁと…。*3

また、同時にこの頃、仕事の関係上、いわゆる携帯サイトと呼ばれる一般のモバイル向けサイトというものに、ここに来てようやっと触れる機会が出来、その魅力を感じ始めている時期でした。
それまで自分自身、WebはPCで閲覧するのが当たり前という環境で育ち、モバイルサイトというのは、あくまでモバイル向けに便宜的に簡易的に作られたもので、あくまでWebのメインはPC向けのものである!という認識でいたわけなのですが、実際、ケータイでモバイル向けサイトを使ってみたところ、”モバイルサイトにはモバイルサイトなりの便利さや優位性があるのだなぁ・・・”と感じ始めており、逆に”モバイルでわざわざPC向けに作られたサイトをムリに見る必要も無いのかな?”とも思わさせられていたわけです。

そんなこんながあり、W-ZERO3がようやく戻ってきたのも束の間、心は完全に”ケータイ”―それまで自分が思い描いていたものとは全く異なる世界であり、完全なる進化を遂げ、充分にカスタマイズされた世界へと向いており、それから間もなく、気づけばauの端末を購入しておりました…w

ではなぜ、ここでソフトバンク(J-PHONE)端末の購入ではなく、auだったのか?という話ですが、これもまた仕事の関係上、丁度、auソフトバンクを扱っていたのですが、仕事の合間に両者のキャリアが提供するウェブサービスの内容を比較してみたところ、やはりauの方が全体的なサービスの完成度が高そうだな、というのを感じていました。
PC向けインターネット接続サービスであるDIONau one netとしてauブランドのもとに接収したことからも伺えるように、ケータイとPCの融合というのに重きを置いていて、利便性・アクセシビリティの観点からもなかなか完成された出来になっているなというのを率直に感じました。自分自身、完全にPC側からアプローチする立場であったので、ケータイを導入するにあたり、こういったサービス形態は非常にありがたいなと…w
なので、あえてここはauを新規導入しようということを考えたのですね。

・・・で、いってしまえばホント、この時点で既に、完全にJ-D02の存在意義は失われてしまっていたのですよね…
まぁ、この期に及んではもはや”意地”という言葉でしか形容のしようがないでしょうか…??^^;
ここまで連れ添っておいて、おいおいauに寝返りか?というか、なんかイマイチ割り切れないというか…いや、そうじゃなくても、前述のモバイルショックの影響もあったというか、これからはモバイルの世界はなかなか目が離せないなという意識もあり、むしろ全キャリア制覇して持っていてもいいくらいなのでは?という感覚を持ちつつもありましたし、また、さらに願わくばソフトバンクからiPhoneが発売されればっ!という祈りも少なからず込めつつ、そうなればこのまま機種変に持ち込むかなぁと…w
まぁもしソフトバンクから出なくても、ここまでJ-D02―PDC端末を持ってきたからにはPDCサービスが完全に打ち切られて機能不全になるまで、コイツを見届けよう…!ということで、いずれにしてもこのまま来るべき時を待つ、という決心したわけなのですね・・・w



・・・そんな意識であったからこそ、この”ソフトバンクモバイルからiPhone発売”というニュースは、自分としては一際、ホント思っても無い喜ばしい衝撃として受け止められたわけなのですね。ようやく、J-D02に引導が渡せる端末が現われたな…と。
ただまぁその代わり、PDCの最期を看取るというのは出来なくなってしまいそうですけれども―

現在発表されている情報を見る限りでもiPhoneは、従来までのケータイのアイデンティティを根本的に覆しに掛かっているなと。
カラー液晶、カメラ、GPSワンセグ電子マネーなど、あらゆるものを積み込み、もはや”電話”と呼ぶには相応しくない物体になりながらも、頑なに”電話”としてのアイデンティティを維持し続けていたケータイ”電話”。
iPhoneは、その牙城を遂に崩し、ケータイを本来あるべき形へと昇華させるべく、次なる道への一歩を踏み出した、いわば最後のケータイ”電話”なのではないかと。”iPhone”という名前には、そういったある種の皮肉というか、”電話”からの脱却を目指したモバイル”端末”としての方向指針が含まれているようにも感じます。

そうゆう端末であるならば、長年連れ添ったJ-D02にも引導が渡せるのかなと。自分にとっては少なくとも、ケータイ”電話”としての機能は、J-D02の時点で充分に満たしていたと考えるから。

*1:なぜかというと、J-D02がフリッパー式のストレート型であったからだと思う。世間的にはストレート型は廃れていく一方であった状況も相まって。

*2:まぁ、自分の扱いが雑だったという説もありますが…

*3:J-D02は世代的にもちろん、W-ZERO3でさえ、この”先読み変換”機能は付いていませんでした。つまり、ケータイ持ち始めてこの方、修理の代替機種を渡されるまで”先読み変換”という機能に触れたことが無かったわけです…